横浜おすすめスポット―ヨコハマ経済新聞スタッフが教える、横浜に暮らすならぜひ行きたい場所

みなとみらいや横浜中華街、山下公園など、多くの観光スポットがある神奈川県・横浜市。住みたい街ランキングの上位に入ることもありますが、一言で横浜といってもエリアによって表情はさまざまです。

今回は、横浜らしい光景を満喫できる「みなとみらい」エリアから、庶民的な情緒漂う桜木町&野毛エリアを中心に散策。足しげく通いたくなるおすすめの場所を、ヨコハマ経済新聞で記者・編集者を務める齊藤真菜さんに案内してもらいました。

●やっぱり魅力は海辺の風景!休日のお出かけはみなとみらいへ

齊藤さんがまず連れてきてくれたのは、代表的な観光スポットの一つである「横浜赤レンガ倉庫」。明治末期から大正初期に国の事業の一環として建てられた重要な建物で、多目的スペースでは、演劇やダンスなどが催されることもあります。上の写真はイベント広場のもの。

「観光の要素も強いですが、やはり『横浜赤レンガ倉庫』『象の鼻パーク』『大桟橋』がある港のエリアは、横浜に住む私にとっても特別な場所。歴史ある煉瓦造建築でグルメやショッピングを楽しめる『赤レンガ倉庫』、文化施設としてさまざまなジャンルのアートイベントも開かれる 『象の鼻パーク』、『大桟橋』から眺めるみなとみらいと海辺の景色は、横浜でしか味わえない時間を過ごせるスポットです」(齊藤さん)



また、知る人ぞ知るスポットとして教えてくれたのが、赤レンガパークにある休憩棟。「ここでは年に数回、昼から楽しめる無料のDJイベントをやっているんです」(齊藤さん)。

そして、ゆとりある芝生広場や遊歩道があり、お散歩にもってこいなのが「象の鼻パーク」周辺。

「象の鼻テラス」は、横浜市の管轄で、 カフェの飲食以外に、持ち込みでお弁当を食べることもできます。平日だと近隣のオフィスで働いている人たちで、にぎわっているそう。

こちらは、名物の「象の鼻ソフト」。とってもフォトジェニック!


「建物内のカフェで飲み物やカレーを買うこともできますし、天気が良ければ芝生でランチがおすすめです。アート関連のイベントや、月イチのマルシェも開催されています。ちなみに、象の鼻テラスは横浜市・開港150周年事業で造られた建物。文化的な催しが多いのも、新たな文化交易の拠点を目指しているからなんです」

景色の素晴らしさだけではなく、感性の幅を広げてくれそうなイベントが盛りだくさんなところも、湾岸エリアの楽しさかもしれません。



ちなみに、横浜のイメージとしてよく使われるのがこの構図。これは、大桟橋から横浜赤レンガ倉庫やワールドポーターズがある新港を眺めている様子です。この日もロケ中に、テレビ(?)の撮影が行われていました。

●グルメが目白押しな野毛!動物園や図書館なども集結

続いて、みなとみらいエリアから足を伸ばし、桜木町駅から西方面に広がる野毛に向かいます。野毛町1丁目から4丁目には、庶民にうれしい大衆居酒屋から、珍グルメまで500店を超える飲食店が密集しているとか。

早速、齊藤さんがランチでイチオシする米国風洋食店「センターグリル」へ。センターグリルは、戦後まもなくの1946年に創業した洋食店。初代はナポリタンの元祖で知られるホテルニューグランドで総料理長を務めていたのだとか。

「私は野毛からも近い『黄金町』にあるシェアスタジオで仕事をしているのですが、友人が近くに遊びに来たときはセンターグリルで一緒にランチをすることが多いんです。私はここにくると、定番のナポリタンをいつも注文しちゃいます」(齊藤さん)

これが、お店人気NO1の「太麺パスタのナポリタン」。創業当初からケチャップでの味付けにこだわっているそう。シンプルな素材を絶妙な火加減で炒めることで、深みのある風味を出しているのだとか。老舗だからこその味わいは、やみつきになりそう!

もう一つの人気メニューが「特製オムライス」。

ケチャップで炒めたライスがふわふわの卵で包まれ、デミグラスソースがかかっています。素朴な味わいにぺろりと食べられちゃいます。

お腹も満たされたところで、横浜市民から愛されている「野毛山動物園」へ行ってみましょう。

「野毛山動物園で驚きなのは、『入園無料』なこと! 私もですが、横浜で育った人の多くは子どもの頃に行ったことがあるみたいです。園内では動物たちのお食事タイムを間近で見られるなど、距離が近いことが魅力。また、敷地内には桜が植えられていて、お花見スポットとしても知られています」(齊藤さん)

「なかよし広場」では、モルモットやハツカネズミといった小動物と触れ合えます。

愛くるしいモフモフのモルモットを思う存分なでなで。

野毛山動物園のアイドル、レッサーパンダ。意外と高いところまで登れる模様。



キリンやライオンなど、サバンナの大型動物も目の前で会えちゃいます。

生活圏内に無料で入れる動物園があるなんて、動物好きなお子さんがいるファミリーは、毎日でも通えそうです。

また、野毛には166万冊以上の蔵書を誇る「横浜市立図書館 中央図書館」があります。火曜日から金曜日は20時半まで開館しているので、仕事帰りにも立ち寄れそう。

「図書館では書評合戦『ビブリオバトル』などのイベントも盛んなことから、知的好奇心を刺激してくれる仕掛けに富んだスポットでもあります」(齊藤さん)

●のんべえたちの熱視線が集中!野毛の聖地巡礼で一日を締めくくる

そして野毛といえば、外せないのが飲み屋横丁。かつては、歓楽街としてにぎわいをみせていましたが、近年は雑誌やテレビで特集され、現在では若い女性でも訪れやすくなっています。特にノスタルジーかつマニアックな酒場が豊富で、はしご酒を楽しむ人も。



およそ60店の小さな酒場がひしめく、「横浜都橋商店街」。野毛の街を代表するレトロな風景です。カウンターメインの焼き鳥店からハイボール専門店、名物マスターがいるバーまで、よりどりみどり。その日の気分に合ったお店がきっと見つかる、魅惑の商店街です。



伊勢佐木町と野毛の2大歓楽街をつないでいることから、「250mの渡り廊下」の異名を持つ「吉田町商店街」。

「40軒を超えるバーやカフェが集っていますが、最近は飲み屋さんが続々と出店しており、勢いのある スポットです。また、画廊や写真店などアートな専門店も多いので、昼間の散歩も楽しめます。ちなみに、毎年夏には、ストリートイベント『吉田まちじゅうビアガーデン』が開催。周辺店舗のとっておきグルメを満喫できるとあって大人気です」(齊藤さん)

そして最後は、野毛のメインストリート「野毛小路」へ。ディープな飲み屋街で知られ、焼き鳥やもつ焼きをはじめB級グルメを堪能できます。

なかでも、「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ)のコーナーで、「きたなシュラン」の三ツ星店に選ばれ、一躍全国区にその名をとどろかせたのが「三陽」。夜の小路でひと際輝く黄色い看板が目印です。



ここに来たら食べたいのが、「餃子」と「味噌ダレネギ鳥」。ジューシーな肉汁をビールやサワーとともに堪能すれば、極楽気分!

ちなみに、写真右手前の焼酎とラムネのサワーは、その名も「おっぱいサワー」。何がどうおっぱいなのかは不明ですが、ほかにも「Dカップサワー」や「チェリーボーイサワー」など、下ネタだらけのラインナップが。ご愛嬌ではありますが、デートにはあまり向かないかもしれません......。

ラストは、吉田町商店街に戻り、 横浜ならではの地ビールが楽しめる「YOKOHAMA BAY BREWING」を訪問。ホップが薫るオリジナルビールを堪能できるビアバーです。

横浜生まれ横浜育ちのオーナーが、いちからビール醸造に取り組み、チェコの有名なビール審査会「GOLD BREWER'S SEAL(ゴールド・ブルワーズ・シール)」で、2014年にアジア勢初の金賞に輝いたそう。横浜が世界に誇るクラフトビールが味わえます。

「横浜ベイスターズの球団オリジナルビールを作っていて、 地域のビアガーデンイベントを先頭に立って盛り上げています。大桟橋で実施される大きなビアフェス『ジャパンブルワーズカップ』もオーガナイズするなど、まさに地域密着型のお店です」(齊藤さん)

黄金色に輝く「ベイヴァイス」(右)と、「ベイピルスナー」(左)は、フルーティーで爽やかな香りが広がります。

今回紹介したお店以外にも魅力的な酒場にあふれていた野毛エリア。この近くに暮らしたら、日々横丁クルーズが楽しめそう。直感でお店を選べば、思わぬグルメや人との出会いが待っているかもしれません。

街歩きの最後、齊藤さんに横浜の魅力をあらためて聞いてみました。

「みなとみらいや、大桟橋周辺の広々とした余白のある空間は、港町ならではです。その港を囲むように、いろんな個性を持った町が近距離にいくつもあるので、毎日飽きません。自転車があると、よりいろんなエリアを回りやすいと思います。野毛にも共通していえることですが、常に新しいことに挑戦する一方で、歴史ある物を大事にする素敵な大人たちがたくさんいることも、魅力のひとつだと思います」(齊藤さん)

2018年2月にソニー不動産の横浜オフィスがオープンしました。
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取材・執筆:末吉陽子
編集者・ライター。1985年、千葉県生まれ。日本大学芸術学部卒。コラムやインタビュー記事の執筆を中心に活動。ジャンルは、社会問題から恋愛、住宅からガイドブックまで多岐にわたる。
http://yokosueyoshi.jimdo.com/

記事編集:有限会社ノオト

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